Oct 28, 2009
気軽にできるホンファルヌン
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菅直人首相が4日、消費税を含む税制の抜本改革について、「6月に方向性を示す」との姿勢を明確にしたのは、このままでは予算編成ができなくなるとの強い危機感があるためだ。
昨年12月24日に閣議決定した政府の11年度予算案は、2年連続で新規国債発行額が税収を上回る「異常事態」(野田佳彦財務相)となった。国と地方の債務残高は11年度末に891兆円まで積み上がる見通しで、先進国では群を抜いている。
特に年金や医療などの社会保障費は高齢化に伴い、現行制度の維持だけで毎年1兆円以上、自然に増加する。基礎年金の国庫負担を現行の2分の1に維持するために必要な2.5兆円についても、11年度は特別会計の積立金などの「埋蔵金」を回してしのいだものの、財務省幹部は「税収という安定的な財源なしに、これ以上埋蔵金でつなぐのは限界」と強調する。
政府は、与野党間の協議を経て6月中に消費税の増税幅などで合意できれば、今秋の臨時国会に消費税増税などの関連法案の提出を目指す構え。その上で12年度予算編成に臨むシナリオを描く。玄葉光一郎国家戦略担当相は「11年度内に消費税を含めた税制の抜本改革の成案を得る」と表明、野田財務相も12年度からの抜本改革実施を目指すことを明言している。
だが、内閣支持率が落ち続ける中、増税を提案すれば与党内からの反発も避けられず、菅政権のシナリオ通り進むメドはまったく立っていない。【久田宏】
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2011年度予算案は、財源不足を補うための帳尻合わせに終始した。確たる理念もないまま、子ども手当の支給額上積みなど人気取りの政策をちりばめ、財源の穴埋めは相変わらず「埋蔵金」頼みだ。高齢化で社会保障費が膨らみ続ける中、ツギハギだらけの“無責任予算”のツケは将来世代に大きく跳ね返る。
13日の夜。焦点だった法人課税の引き下げについて、菅直人首相は「5%下げる方向での調整を指示いたしました。以上です」と説明。記者団の「減税分に見合った財源はどこから出すのか」との質問は無視し、逃げるように公邸内に入った。
「最後には私が決める」。首相が裁定したもう一つの重要案件が、基礎年金の国庫負担割合の50%維持。引き下げを主張する財務省と厚労省のせめぎ合いが続いたが、首相は厚労省が求める現行水準維持を宣言した。「国民の負担が増えれば選挙に負ける」という民主党内の懸念を踏まえての判断だったが、必要な約2兆5000億円は特別会計剰余金などの「埋蔵金」でしのぐ、お粗末な結果となった。
「そんな話は聞いてない」。子ども手当をめぐる閣僚折衝が大詰めを迎えた17日、細川律夫厚労相は電話口で激高した。相手は、党政調会長として党のまとめ役を任された玄葉光一郎国家戦略担当相。3歳未満の月額7000円上積みに必要な財源をめぐり、厚労省分の予算を削減して捻出するよう迫ったのだ。
11年度税制改正で子ども手当の財源に想定していた配偶者控除の縮小が、統一地方選への配慮から一転して見送られた結果、別の所得税控除を縮小した上、毎年1兆円を積んでいた経済危機対応用の予備費の一部を取り崩す事態となった。ある財務官僚は「最後に泣くのは国民」と吐き捨てた。迷走の先には国民の痛みが待っている。
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【政論】
民主党政権が初めて最初から編成した平成23年度予算案を見てため息が漏れた。子ども手当など先の衆院選マニフェスト(政権公約)を中途半端に実現するために、財務省がお膳立てした埋蔵金で帳尻を合わせただけではないか。揚げ句の果てに「24年度から消費税増税」。これが菅直人首相の唱える政治主導なのか。
「元気な日本を復活する予算ができた」「地域主権改革は知事会から評価が高い」−。
24日の閣僚懇談会で、各閣僚は上気した表情で所管事業の予算化を自賛しあう「自慢大会」となった。
最後を締めくくった首相は「広報機能を強化し、大いに訴えていきましょう」。予算案が評価されないのは各省庁の広報が悪いと思っているのか。それともマスコミの報道に責任転嫁するつもりなのか。
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で首相は「行き当たりばったり」の対応を重ねて国益を損ねたが、この傾向は予算編成でも繰り返された。
「何とか科学技術予算をプラスにしてくれ」
予算編成作業が大詰めを迎えた22日午後、首相は野田佳彦財務相に科学技術予算の上積みを指示した。
理系出身の首相が科学技術分野にこだわるのは分かるが、それならば概算要求の段階から指示を出せば済む話だ。直後に「科学技術の面ではわがままを言わせてもらう」と自らの政治決断をアピールしたことを考えると、「出来レース」ではないかと勘ぐってしまう。
もしそうならば、自らが「財務相と閣僚のセレモニーにすぎない」と批判し、廃止した「復活折衝」と同じではないか。しかも手柄は首相が独り占め。こんな陳腐な演出は、どんな高等な広報技術でも糊塗(こと)することはできないはずだ。
法人税減税でも、首相は13日、実効税率5%引き下げを一方的に表明し、財源調整は官僚に丸投げした。公的年金支給額の引き下げも「据え置き」を一方的に指示し、閣僚の抵抗にあい断念に追い込まれた。首相の政治主導はむしろ混乱を呼んだといえる。
ただ、今回の予算編成で「無駄遣い根絶で16・8兆円の財源を見いだせる」と大風呂敷を広げた先の衆院選マニフェストが、実現不可能であることだけははっきりした。それならば、まずマニフェストを撤回し、国民に謝罪することが政治主導を実現するための第一歩ではないか。(加納宏幸)
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